――『ミカグラ学園組曲』の原作などに触れてみての感想は?

御神楽星鎖役・大西沙織さん(以下、大西):楽曲がスタートで、ライトノベルやコミカライズを経由してのアニメ化という珍しい形のプロジェクトなので、「どんなふうになるのかな?」とドキドキわくわくしていました。原作は最初にコミックを読ませていただきましたが、まず絵がすごくかわいいし、キャラも多いうえにみんな個性的で。部同士のバトルもあったり、おもしろい作品だなと思いました。

 読み始めた時はエルナちゃんを中心に繰り広げられる学園コメディかなと思ったら、それぞれのキャラに過去や背景があって…。またニコニコ動画でも九頭竜さんや赤間君の曲を聴きましたが、オリジナルのミュージッククリップもあって、「こんな人なんだ」という人となりや、悩みや葛藤も見えてきました。例えば赤間君が仮面をかぶる理由が実は深かったり、「ただの学園ものじゃないぞ」と。



――演じる星鎖についての印象は?

大西:彼女と私はまったく似てないですね(笑)。私はあまり物事を考えず、取っ散らかってしまうことが多いけど、星鎖ちゃんは何事もまずは十分に考えて、自分の中で消化してから発言したり、行動を起こすタイプですね。エルナちゃんとは両極端な(笑)。学園長の孫娘らしく、しっかりした子だけど、何かトラウマや悩みを抱えている部分もあって。あとちょっと天然だったり、浮世離れしたところもあるのがかわいいですね。

 

――演じる時に心掛けていることは?

大西:あまり感情を出し過ぎないように気を付けています。あと動き過ぎないようにすることかな(笑)。星鎖ちゃんはいつもピシッ!としていて落ち着いているので、私も背筋をピンとして、いつもより姿勢よく収録している気がします(笑)。

 

 

――アニメのOP曲とED曲を、エルナ、星鎖、おとねの3人で歌っていますが、まずOP曲『放課後革命』はどんな曲でしょうか?

大西:3人で歌っているけど、エルナちゃんの前向きな感じが前面に出ていて、アップテンポで明るくて、“無軌道の推進力はそう、好奇心じゃん?”などポジティブでプラス思考な言葉が並んで元気になりますね。またLast Note.さんの特徴かもしれませんが言葉遊びがおもしろくて。“魔法の合言葉は「ぱっぱっぱのぱっ!」”とか、かわいくてキャッチーで。でも歌うのは難しいです…。

 

――レコーディングではどのへんが苦労されたんですか?

大西:とにかく音域が広いんです! A~Bメロは割と低めだけど、サビの1カ所がめちゃくちゃ高くて。調整しながら歌いましたが、高いほうを下げると、A・Bメロがもっと下がっちゃうし、結構バランスをとるのに苦戦しました。その上、キャラを維持しながら歌わなくてはいけなくて。A~Bメロはキャラを意識しながら歌いつつ、サビではキャラを意識するよりも元気に歌いました。だからじっくり聴くと「あれ? これ星鎖ちゃん?」と思うくらい元気です(笑)。また速いテンポの中で言葉がぎゅっと詰め込まれていて、「声優だから滑舌頑張らなきゃ!」と気合を入れて歌いました(笑)。

 

――『放課後革命』の聴きどころやお気に入りのフレーズを挙げてください。

大西:やっぱり“魔法の合言葉は「ぱっぱっぱのぱっ!」”ですね。最初に聴いた時、一番印象に残ると思いますよ。あとラップパートですね。歌詞を見ると曲頭の4行くらいだけど、間奏の中で倍くらいやっているんです。英語が苦手な私が頑張った成果をぜひ聴いてほしいです(笑)。“Say!(Yeah!) 声が小さいぞ”とか掛け声を入れるところも多いので、イベントなどで歌う機会があったらみんなにやってほしいですね。あとカラオケでも絶対盛り上がると思います!

 

 

――ED曲『楽園ファンファーレ』を初めて聴いた時の印象は?

大西:最初の入りがゆっくりした曲調で、その後にテンポアップするんです。OP曲同様に前向きで、エルナちゃんを思い浮かべられる曲だなと思いました。星鎖ちゃんは“わーっと”はしゃいだり、騒ぐタイプじゃないけど、OP曲とED曲を歌って頑張るぞ! みたいな(笑)。2Aの“とことことことことことんね”など、同じ言葉を繰り返すところが結構あって、誰の耳にも残りやすくて、覚えやすい曲だと思います。

 

――レコーディングは順調でしたか?

大西:こっちも大変だったけど、『放課後革命』に比べてゆっくりめでしたので、星鎖っぽく歌えたかな。あと笑顔じゃないと楽しさが伝わらないと思ったので、ずっと口角を上げながら頑張って歌いました(笑)。サビはやっぱり難しかったですね。また曲全体で言葉がギュっと入っているので、ブレスを入れるポイントもなかなかなくて。皆さんがカラオケで歌う時はきっとぜいぜいすると思いますが頑張ってください(笑)。

 

――『楽園ファンファーレ』の聴きどころやお気に入りのフレーズを挙げてください。

大西:Dメロの“スキスキスキの隙だらけよ ラ・ラ・ラ♪Love Me Tender”が好きです。初めて聴いた時から頭に残りました。言葉を掛けていたり、音の響きもよくて。ただDメロなのでアニメのEDで聴けるのかはわかりませんけど(笑)。曲調の駆け抜ける感じや心地よさを楽しんでいただければうれしいです。

 

 

――アニメの見どころと皆さんへメッセージをお願いします。

大西:原作を知らない方も入りやすい作品で、見進めていくとキャラ達の過去や関係性が見えてきて、目が離せなくなると思います。バトルシーンも見応えがあって、まさにアニメならではだと思います。序盤からキャラがたくさん出てくるので、男性でも女性でもお気に入りが見つかるはず! あなたの推しキャラを見つけてくださいね。星鎖ちゃんを好きになってもらえたらいいな(笑)。学園は部活動が必須ですが、各部活も個性的でおもしろいですよ。キャラ達のあふれる躍動感も見どころで、特にエルナちゃんがイキイキしているので、「楽しいアフレコ現場だったんだろうな?」と想像しながら見てください(笑)。

 放課後楽園部としてOP曲とED曲も歌わせていただいていますが、両方担当させていただくのは初めてです。3人共、キャラをキープしながらLast Note.さんの素敵で難しい曲を頑張って歌いました(笑)。アニメの世界観の一部として楽しんでください。まだ収録は始まったばかりで、星鎖ちゃんがどんな風に変わって、成長していくのかも皆さんと同じように期待しています。「女神」と呼ばれる星鎖ちゃんなので、私なりの女神らしさを表現してみました(笑)。あなたもこんな楽しいミカグラ学園の門を開けてみませんか?



©2015 Last Note.・株式会社KADOKAWA メディアファクトリー刊/ミカグラ学園組曲製作委員会